鬼滅の刃はイマドキである~面白さ考察~




鬼滅の刃を読みました…。いやぁ面白いわ…泣いたわ…。

なぜ面白いのか?魅力を考察したいと思います。
なぜなら、したいから…。

ちなみに、1~5巻の内容はアニメで、6巻~22巻を漫画で読みました。
23巻は12月に出るみたいなので買って読もう。

鬼滅の刃の面白さは
・今まであった漫画、アニメの面白さ要素
を詰めこみつつ
・今の時流に合わせたキャラ、展開
をしたからだと思います。

「そんなのどの漫画もやってんだろ!」と言われたらそうです。

鬼滅の刃が他の漫画と違うところは
「禰豆子」というキャラクター、要素
にあると思います。

では、解説していきます。

鬼滅の刃の特殊性は「禰豆子」というキャラクター

禰豆子のキャラクターはとてもよくできている、機能していると思います。

今までも、「足かせを抱えながら戦う主人公」はいたと思います。

一番よくある、読者の共感を呼ぶ主人公は、

・弱い者のために戦う
・家族のために戦う

というもので、炭次郎もそうです。

ただ、鬼滅の刃が違うのは「禰豆子は戦える」ということです。

私はあまりに弱い人が主人公のそばにいると
「その人は病院かどこかに匿うことは出来ないのか?」
と考えてしまいます。

いくら「守るため」とはいえ、現実的に考えたら足かせを抱えながら移動するのは悪手です。
「お話なんだからいいじゃん」とはいえ、そうなるとストーリー上、矛盾が出ます。

何より「弱くて役に立たないキャラ」はバトル漫画で嫌われていきます。

しかし、禰豆子は強い。
しかも、その理由が「鬼だから」。
「家族を守りたい」という炭次郎の強さの理由とはかぶらないのも強み。

あと、鬼だから小さくなったり大きくなったり、腕が飛んだり、理由もなく強くなったり、かと思えば炭次郎をかばって人間性を見せたり、ストーリーの起伏を作るのに便利すぎる。

あと、しゃべらないのも強い。
「沈黙は金なり」というように、「話さない人」に人は一番自分が都合のいいアテレコをします。

バトル漫画では邪険にされたり、嫉妬されたりしがちなヒロインの立場でヘイトを躱せるのは、
「強い」という機能性と「理想のヒロイン像をあてはめられる」という都合の良さのせいだと思います。

また、禰豆子は主人公が戦う理由であり、敵が執着する理由でもあり、ストーリーの中で上手くキーとして働くため、
「なんでこの子はバトルの渦中にいるの?」
「なんでこの子を重点的に守るの?」
という特別扱いの理由づけにもなります。

「禰豆子」というキャラクターは使い勝手があまりに良い…。
今後、研究され模倣される可能性が高いと思います。

鬼滅の刃は「イマドキ」である

鬼滅の刃は
・今の時代を映している
・今まで流行った作品の良さを入れ込んでいる
ところがあり、「イマドキだな」と何度も思ってしまいました。

それぞれ解説します。

今の時代を映す、善一という「共感キャラ」

善一を見た時に、「イマドキだな」と感じました。

それは、善一が共感を担うキャラだからです。

善一は弱いし、逃げるし、努力が苦手で、強い人へ劣等感を持つキャラクター。

炭次郎は主人公だから、強くなくていけないし、正しくなくてはいけない。

でも、キャラクターが強く正しすぎると、「超人」になってしまい、
とても共感が出来なくなり、読者から引かれてしまいます。
(ハンターハンターのゴンのように…。)

ストーリーとしても、説教臭くなったりします。
そこを解消するのが「善一」というキャラクターだと思うのです。

また、善一は、普段は「雑魚キャラ」、寝ると「強キャラ」になるというギャップもあり、
これも「イマドキだな」と感じます。

少し脱線しますが、鬼滅の刃では、主役級のキャラたちがそれぞれ、

炭次郎「正しさ、優しさ、強さ」(ザ・ジャンプの主人公)
猪之助「猪突猛進」(話を進める、話がダレた時に風穴を開ける、テコ入れキャラの常駐)
善一「弱い、共感」(読者が感情移入できる)

以上のようにストーリーで必要な役割を分担してるように思います。

今の時代を映す、「おいしいところだけ」背景説明の簡略化

鬼滅の刃の映画「無限列車編」の公開で、
「汽車が出てくるのに驚いた」というツイートをみて、「確かに」と思いました。

鬼滅の刃のキャラは基本的に着物で剣を持っているので、
「文明、あるんだ」という感想にとても共感しました。

おそらく舞台は明治あたりだとは思うのですが、
鬼滅の刃では、時代背景や、世界の説明が薄いと感じます。

これはサボってるのではなく、
「おいしいところだけを取り出している」のかなと思いました。

小説家で湊かなえさんという方がいます。
「告白」や「夜行観覧車」などが代表作の、とても面白い作家さんです。
この方の作風はセリフだけで話が進む「独白形式」です。

個人的にキャラクターの性格には「育った場所があったかい地域か、寒い地域か」など、
背景がある方が説得力が増して好きですが、話の面白さは、ぶっちゃけセリフだけで成り立ちます。
忙しい読者にはその方が向いているのかもしれません。

鬼滅の刃はキャラクター同志のやり取り、バトルにおいての攻防のみ描いている印象があります。

おいしいところだけを抽出し、刺激を絶え間なく与え続けるという作戦は、
コンテンツが溢れる現代ならではの作戦で「今の時流に即している」と感じるのです。

今の時代を映す「男女平等」

女性キャラが思っていたより魅力的でした。
女性キャラの方が奥行き深く描かれているかもと感じてしまいました。

そして、イマドキだと思ったのはその強さ。
昔の漫画のように「お色気担当」「ヒロイン担当」のお飾りではなく、
他の男性キャラとタイを張る強さ。

そして強いながらもかわいかったり、恋をしたり、
いわゆる「バリキャリ」でもなく、
「肩の力を抜いて強い女性を描けるようになった時代になった」を感じます。

るろうに剣心でも、薫とか操など、女性キャラが戦う描写はあるんですけど、
やはり「小物が頑張ってる」感があって…。
敵の女性キャラにあてがわれて、女VS女にさせられたりといった、フラストレーションを消化出来た気がします。

今まで流行った作品の良さ「鬼滅の刃はゾンビ映画である」

ゾンビ映画にあまり詳しくないのですが、鬼滅の刃は「ゾンビ」システムだと思います。

鬼滅の刃で使用されている「ゾンビの良さ」は

・元は人間という葛藤
・元は人間という悪役への情状酌量、共感性
・「殺すしかない」という正義のわかりやすさ

あたりかなと思います。

今まで流行った作品の良さ「鬼滅の刃はゾンビ映画である」

ゾンビ映画にあまり詳しくないのですが、鬼滅の刃は和風漫画でも妖怪漫画でもなく、「ゾンビ映画」だと思います。

鬼滅の刃で使用されている「ゾンビの良さ」は

・元は人間という葛藤
・元は人間という悪役への情状酌量、共感性
・「殺すしかない」という正義のわかりやすさ

あたりかなと思います。

今まで流行った作品の良さ「死ぬ時の回想が一番面白い」

ジャンプ漫画では、死ぬ時の回想が一番面白いのです。

別に死ぬとき限定ではないのですが、回想って一番面白くないですか。
そして死ぬ時の回想は格別です。

鬼滅の刃では、敵も味方も、死ぬ時に、今までの人生を回想します。

るろうに剣心なら、「安慈がなぜクマ作りながら戦ってるのか」とか、
「宗次郎はなぜ『弱肉強食』にこだわるのか」とか。

現実はそうじゃないことも実は多いけど、
並外れた強さや常軌を逸した行動に、人は理由を求めます。

不謹慎な例だと、殺人犯に「トラウマ」や「特別な動機」を求めて、
それが納得できると快楽を感じます。
「謎が解かれる」快楽なのだと思います。

名探偵コナンの犯人は「なんとなく」で人を殺さないし、
殺す理由がドラマティックであればあるほど話は盛り上がる。

他の漫画でも「走馬灯」はよく使われますが、
鬼滅の刃は「走馬灯の大盤振る舞い」だなと思うほど、走馬灯の連続です。

今まで流行った作品の良さ「いいキャラすぐ殺す」

「いいキャラをすぐ殺す」というのもイマドキだなと思いました。
グレンラガンやまどマギの時流を受けていると感じます。

今まで流行った作品の良さ「副音声」

これはネタバレになってしまうのですが、
無残様が「復讐の理由が家族が死んだばっかりじゃん」というシーンがあり、
これは読者が思っていることを明文化して、主人公に言い返させることで、
読者の飽きを先回りして潰しているのかな、と思いました。

善一も「読者の突っ込み」をするキャラだったり、
これはテレビのドラマである「副音声」のようなものかな、と思いました。

まとめ

偉そうに聞こえたらすみません。
読んで感じたことをダダダっと書いてみました。










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