pha×佐藤友哉×滝本竜彦 「作家の知の整理術」感想




今回は書き起こしが出来たので、
副音声的に感想を入れていきます。楽だし。

エッセイと小説の違い

pha:エッセイは書けるけど小説は書けない。
どうやって書くの?

滝本:「私は今日お母さんと牛角に行きました」の
「私」を変えるだけ!
→「ナスターシャは今日お母さんと牛角に行きました」
→「ナスターシャは今日お母さんとアスガルドに行きました」

この滝本さんのやり方が面白いからやってみたいね。

今日私は変な夢を見た。「パラサイト」の奥様にいびられ、それと戦う夢だ。
→今日、菜摘は変な夢を見た。奥様にいびられ、それと戦う夢だ。

後々で、滝本さんは「過剰に脚色してしまう」と言っているので、
「変な夢」をどんどん変にしたり、「奥様」も過剰になっていくのかもしれない。

でも、アカデミー賞でも「脚色賞」があるように、
原作からどれだけ膨らませるか、というのはやっぱり創作能力なんだよな。
だから滝本さんはすごい。

私は「脚色賞」で思い出すのはベネディクト・カンバーバッチの「イミテーション・ゲーム」。
アマプラで観れます。

この映画観てwikipaediaを見ると、わりとええ~~ってなると思う。
私はびっくりしたし笑っちゃった。

佐藤:「どこでもいいからどこかへ行きたい」後半は小説だと思った。
小説と言い張れば小説みたいなところはある。

まだ「どこでも~」未読なので読みたい。

フィクションの要素を入れるのが恥ずかしい問題

ファンタジーキャラクターの名前付けるのが難しい。

滝本:まだ馴染んで無い。
佐藤:色んな作家が何百年前から言ってるから!

滝本:「NHKにようこそ!」の中原岬の中原は「中原中也」の本があったから。
元ネタあると恥ずかしくない。

今さっき、「菜摘」ってテキトーにつけただけでも恥ずかしかったわ。
誰やねん、って感じやし、だんだん浜ちゃんの奥さんが浮かんできて
ファンタジー感がなくなってしまった。
小川菜摘が奥様と戦うってまた違う話になる。

「キャラクターが勝手に動いてくれる」はあるの?

滝本:ある派
佐藤:ない派

佐藤:キャラクターが勝手に動くとかない。
それは僕の実力でしょ!僕の才能と努力と時の運とバイオリズムの結果!!
滝本さんだってプロット書くでしょ?

これめっちゃウケた。
佐藤さんは小説もだけど、「畳みかけ」が個性だと思う。

滝本:キャラクターと対話するようにしている。
佐藤:寝る前にプロットを考えるとチューニングがあってくる。

最近お話を作ってないので、作ったらキャラと対話してみたいな。

滝本:逆にエッセイが書けない

滝本:過剰な脚色をしてしまう
佐藤:滝本さんは小説の中で、現実でクリアした問題についての
知識を入れている、啓蒙しているというか。

自己啓発本をめちゃくちゃ読みまくっていた時期があり、
それも落ち着いて「まあ言ってることは大体同じだな」まで思えるようになったら
フィクションにもそういう要素があるんだな、と気づいた。
みんなコレ気づいてるんだろうか。

作家に意図があろうとなかろうと、
作家の思想はキャラや展開に現れて、人に影響を及ぼす。
良くも悪くも。

ただ、なんか自己啓発要素いれよ!ってフィクションがやだって私は思っちゃうな…。
胡散臭いというより、なんか貧乏くさい。

「夢をかなえるゾウ」とかは自己啓発本が小説の形をとっているだけだからいい。

自己啓発本は「なんかやれそう」と思わせてくれる、
そういう言葉遊びの極致で、それはそれでいいじゃん。

滝本:エッセイの語尾を「わよ」に変えたら小説になるよ。

私は女だけど「わよ」とか絶対使えない。
最近知り合った不動産屋さんがおばあちゃんで、なぜか上からで
「悪いわね」って言ってきて、
それはすごく味があった。

「美しい」という言葉を使わずに美しさを表すのはもう古い

pha:小説家は「美しい」という言葉を使わずに、
美しさを表すもんじゃないの?

佐藤:それはもう古い!
「彼女は美しい」というのにも流行りがある。
今は「背が高かった」、「綺麗だった」、「かっこよかった」でいい!
はじめ、「鈴木」がどんなやつかわからなくて、
読み進めると、だんだん「鈴木」がわかってくるのは、もうダサい。
僕は好きだし、そういう文章カッコいいと思うけど。

最近の小説を読んで学んだりするんですか?

滝本、佐藤:するする。仕事ですから。

佐藤:音楽と同じで、(自分たちの世代の)
ミスチルばっか聴いていたらダメ。

2人とも転生モノを書いている。

転生! 太宰治 転生して、すみません (星海社FICTIONS)

異世界ナンパ 〜無職ひきこもりのオレがエルフや猫人間や幼女竜に声をかけてみました〜

滝本:もはや周回遅れ感があるけど。笑
佐藤:これ(転生!太宰治)なんか流行りモノばっかだわ。笑

流行りものの研究とかするんだな…さすがだ…。

佐藤:書けない時は枠組みを利用する。

佐藤:転生モノもフォーマットがある。
誰でもかける。だから「なろう小説」で多い。

枠組み、映像でも漫画でもそうだと思うので、
小説もそうなんだな~と思った。

0から1に、とかいうけど、本当に0からなんて無理だし、
やる必要もないんだよね。

佐藤:枠組み、構造が欲しい。
恋愛モノは枠組みがないから書けない。

この辺りで、私も恋愛モノ読まないからわかる…
と思ったのだけど、
「それでも島本理生さんだけは読めたな」と
考えてたら、佐藤さんの妻でびっくりした。

ただ、島本理生さんの「ナラタージュ」好きなんだけど、
普通の恋愛小説ではない気がする。

読んだのが昔なのでうまく言えないけど、
とりあえず、好きになってケンカして別れてまたくっついて、
という様式美の話ではない。

滝本:あるでしょ!
佐藤さんは幸せな構造を受け入れるのを拒否してる。

これもめっちゃウケた。

佐藤:ラブストーリーは売れないでしょ。

滝本:いやいや売れてるよ!
ハリウッドのラブコメとか。

佐藤:映画を観ればいいのか?

pha:てゆーか、島本さんバリバリ書いてるでしょ…。
(佐藤さんは作家の島本理生さんと結婚されています)

佐藤:そうか、妻に聞けばいいのか…。

(会場となった本屋B&Bは、ゲスト用のカップに本のジャンル名が書かれていた。
初めはphaさん:SienceFiction、佐藤さん:Misteryだったのだが、
休憩後、スタッフのおちゃめか「ROMANCE」と書かれたコップが佐藤さんに。)

後ろで誰かも「コップがロマンス…」ってつぶやいてて、
「やっぱそこ見るよね」って思った。

(佐藤さんと島本さんのなれそめはこちらで読めるとか読めないとか…。)

pha:滝本さんはどうやって書かれているんですか?

滝本:パクってる。僕のは9割人のもの。
カッコよく言えばサンプリング。

だよね、パクリだよね、って思った。
滝本さんはこういうの正直に言えてすごいなと思う。

pha:でもバンドはオリジナルにこだわってるよね?
僕はコピーバンドも楽しそうでいいなって思うんだけど…。

滝本:バンドはコピーできない。
丸写しは作業になる。
自分の手柄にしたい。

この自分の手柄にしたい、って私もよく思う。
よく思って「まだ手柄にするほどの実力もないだろ…」って勝手に落ち込んだりするんだけど、
他の人もこう思ってるんだな、って知れてよかった。

実際の作業はどんな感じ?

滝本さんオススメの本。

佐藤:早起きは三文の徳、みたいな?
滝本:昼2時に起きてからこれやってる。
バンド活動が円滑になった。

私はこういう本を読むと、すべて忠実にしなくちゃ気が済まないので、
マイペースな滝本さん偉いな~って思った。

滝本:毎日スタバに行って、MacBookを開く。
周りもMacbookで意識高いことをしているので支援効果がある。

さらにインスタで「今から小説を書く」とつぶやくと、
さらに支援効果がある。
そうやって自分を洗脳する。

pha:僕は空いてるとこ。モスとか。
佐藤:僕は出版社とか、ホテルに缶詰とか。
滝本:出た!さすが~!
佐藤:いやいや、出版社とか普通でしょ。
滝本:支援効果がすごそう。笑

佐藤:でも、ビジネスホテルも自腹で行ってるから、
数千円出してるから書かないと損だなって。

プロの作家さんですらこうなのだから、
移動しようと思った。

わりとみんなphaさんの本でまとめられてるところに着地してて、
(多分わざとではなく)この本は結論なんだなという気がした。

アイデアはどうやって貯めてる?

pha、佐藤:パクる

pha:こういう本書きたいな~っていくつか読む。

私は映像を作る時に参考になる映像を探すんだけど、
本もそうやっていいのか、と思った。

本のコンセプトや構成を参考にすれば作りやすいよね。

佐藤:そういえば、ファウスト編集長の太田さんが、
phaさんが小説書こうとして「タンデムローターの方法論」
読んでるって聞いて、さすがだ~やっぱいい大学出てる人は違うわ!
って言ってたよ!

同人誌で一番成功したのは「タンデムローターの方法論」だから、
それを参考にするのは偉い。

大体のやつは、やりたいことをやって失敗するのに、
一番うまくいったのをパクるのはさすがだ~って言ってた。

pha:いや、でもそれは結局自分アゲでしょ。
太田さんの自分スゴイ、でしょ。笑
でも読んで、「こんなに魂削れないわ…」ってなったよ。

滝本:魂を削る、命を削るのは
令和の時代に合わない。
火花みたいになっちゃう。

今の時代はまったり。
バガボンドもバキもジョジョも
格闘漫画は途中で農業が入る。

どうなんだろう、でも何かを為すにはやっぱり集中する時間はいると思う。
ただ、それはデビュー時とか、乗り越える1回くらいでよくて、
ずっと商業でやるなら特に「いのちだいじに」で間違いないよな、と思う。

これから経済成長もしなくなるし、日常の満足も取りつつ、
作家もゆるやかに成長していきゃいいのでは。

ただ、漫画については
「バトル漫画はインフレになりがち」
(強いやつより強いやつが出ると、昔の敵が雑魚になるとか)
という問題を回避するための方法ではと思う。

知人が「銀魂はシリアス展開してもまた日常話に戻るからいい」
って言ってたし、読者もキャラ好きになったら日常話も楽しめるしな。

滝本:これが世の中の潮流。
下手したら僕たちの世代は200歳まで生きるかもしれないし。
佐藤:地獄のようだがな。

わりと最近は長寿説が自己啓発本で多くて
私も「私の世代(今30代の人)は普通に120歳まで生きる」のは
ある話だな、って思ってるんだけど、
滝本さんはその上をいっててさすがだ、と思った。

あと、佐藤さんが「地獄」っていうの、
「10代で死ねなかった」という話をしている人として
正しすぎて良かった。

トーンもほんとに嫌そうで良かった。

佐藤さんのその辺りがくみ取れる小説はこちらで。
とても読みやすいので是非。

ネットで無料で公開されています。

01 しいたけ占いと労働――あげくの果てのシリアルキラー――いっしょに歌ってくださいよ

滝本:スタバはワンモアコーヒーがあるので、
スタバのはしごをする。散歩になっていい。

スタバのワンモアコーヒー、
私も最近知ったんだけど良い。

One More Coffeeのご案内
ドリップコーヒーご購入時のレシートを当日営業終了までに持参すると、2杯目のドリップコーヒーを100円または150円(税抜)でお楽しみいただけます。
※スターバックス ジャパン公式モバイルアプリまたはWeb登録済のスターバックス カードで対象商品をご購入いただいた場合は100円(税抜)です。
※2杯目は1杯目と同じサイズでのご提供です。(ホット/アイス選択可)
※1杯目の有料カスタマイズの有無に関わらず代金をお支払い頂くことで有料カスタマイズも可能です。
※他店舗での使用可・切り離し無効・一部店舗除く。

コーヒーとカフェラテだけだったかな?
(フラペチーノもう一回飲めるわけではない)

はしごすれば歩けるし、これ真似したいな。

スタバのコーヒーおかわり【ワンモアコーヒー】100円で飲む方法

 

pha:1日2、3時間集中するのが限度。
pha、滝本:夜にやる気が出ちゃうんだよね、よくないわ~。

限度ってほんと何時なんだろう。
私は10時始業で、「集中力切れたな」と思ったら12時なので、
あ、2時間じゃん。

佐藤:僕は育休中。7年ぐらい。
今書いているのは、育休中でも書けるようなゆるいやつ。

phaさんの、この2冊読むと、
つらくないようにしながら、インプット、アウトプットできるメソッドがわかる。

ここ、佐藤さんめちゃうまくphaさんの2冊書評してたのに、
メモが甘くて何言ってたか忘れてしまったんだよね。

自然と「この2冊を読むべきだな」と思える書評で、
「佐藤さんさすが~」って思ってたんだけど…。

本を五感で味わうということについて

佐藤:本に蜜をかけて食べさせる宗教もあるわけでしょ?
pha:そんなのあるの?

滝本:コード理論の本を抱いて寝てますよ。

佐藤:本をなめたり、本に頭をつけてもそんなの意味ないわけ。
だって文字読んでないんだもん。でも、本を心に寄せていくことは出来る。
字面やページ数、厚みで本をインストール出来てるな、って時はある。

ここの佐藤さんの畳みかけも、本への愛があって良かった。

本を書いているお三方は当たり前だけど、本好きなんだよね。

なんか、「本好き」って昔からあるカテゴリで、
「山好き」とかと比べて、「本好きなんだ、そうなんだ」って
流されがちなんだけど、本て本当にいいんだよ…。

物質であり概念であり…いつか通貨になってほしいくらいである。

あと、このあたりで「本屋に行って本をズラーっと見ると
『これだ!』って本がわかる」と滝本さんがおっしゃてて、
phaさんの「本と目が合う」って現象なんだな、と思ったんだけど、
物理的な「検索力」の話なのかな、と思った。

「ネット検索」をやりまくったから、
「足や目を使う検索」が意識できているのかな。

でも、佐藤さんが「昔はCDの背を見ても出来た」と言ってて、
私も昔から図書館の棚を見て選んでいたわけで。

私たちの「身体」と「モノ」の関係ってあるよね。
何がどうとはいえないが。

そう思うと、やっぱり「体を使っての検索」も大事にしなくちゃな。

本の「電子版」「紙版」があるように
検索にも「電子版」「足目版」があるべきだ。

直感を磨くには

pha、滝本:散歩

滝本:アパートの周りをぐるぐる歩く。
佐藤:不審者じゃん。笑
滝本:でしょ。笑
でも同じ道を歩きたい。
佐藤:あ~違う道だと風景を楽しむってなるもんね。
新しい情報を入れたくないんだ。

pha:佐藤さんは?
佐藤:本を読むのが一番いい。
「自分で思いつくのが一番!」と思っちゃう悪い癖があるんだけど、
本を読むのが一番いい。

この佐藤さんの「本がいい」は創作意欲がわくという意味なのか、
ノウハウを習得するのか、とにかくインプットするって意味なのだろか。
その時の課題によって違うのかな。

Twitterについて

佐藤:Twitterは人がやるもんじゃないよ!
滝本:細かいアウトプットになるのでやりたい。

文字だと伝わりにくいけど、この佐藤さんも
滝本さんが「Twitterやりたいんだよね~」に対して
バッと突っ込んでて面白かった。

「Twitterは垂れ流しの文化」と言ってて、
phaさんも「垂れ流したやつをまとめてコラムにすることもある」
と言ってて、私ももっとつぶやきたいな、どうでもいいことを、
と思った。

佐藤:机に向かうこと以外もクリエイティブはある。
日常の中に見つけていかなきゃいけないんだけど。

机に向かってないからって「クリエイティブなことにしてない」
と思わなくていい、という話だったと思う。

phaさんの持論にも通じる気がするな、
「休むことも頑張ることの一部」というか。

対談のメモ、いきなり終わったな、と思うかもだけど、
実際もわりといきなり終わったんですよ。

まあきれいに終わる、というのは終わりを意識して話すことで、
そんなのは本とかでやればいいので、
こういう生の話は散逸なのが味だと思う。

今回は3人とも気負ってなさそうでよかったです。(わからんけど)










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